「発酵」と「醗酵」の違いを知る男(笑)。忘年会で専門知識を披露し声が枯れちゃった!!

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今日の内容だとちょっと渋めの文章がいいかも?
と思い少し今までと違う文章にしてみました(笑)

賑わいの中の「居場所」を探して

今年も忘年会の季節がやってきた。
昨夜はセミナー仲間との集まり。
還暦を目前にしたこの歳になると、酒の席での話題も健康か、あるいはとりとめもない雑学へと流れていく。

そこでふと出たのが、「『発酵』と『醗酵』って、
何か違いがあるのか?」という問いだった。

世間一般では、どちらも微生物の働きによる変化であり、
単なる新旧漢字の違いだと片付けられることが多い。
だが、発酵工学科を卒業した
小生としては、ここで黙っているわけにはいかなかった。

漢字の「酉」に宿る、微生物の魂

グラスを置き、私は少し背筋を伸ばした。
「醗」の字の偏(へん)は「酉(とり)」。
これは古代の酒つぼを表す象形文字だ。

対して「発」は戦後の常用漢字表で簡略化された記号に過ぎない。

「いいかい、本来の『酒が醸される躍動感』を宿しているのは、
酉を冠した『醗』の方なんだ。
だから、微生物が命を懸けて介在するプロセスこそが『醗酵』なんだよ」

仲間たちの顔に驚きが走る。私はさらに続けた。
「では、常用漢字の『発酵』は何か。
実は、紅茶などのように微生物を介さず、
植物自身の『酵素』のみが働くプロセスを指すのが、本来の使い分けなんだ」

束の間の主役、そして訪れる静寂

そこからは、まるで無料の公開講座だった。
次から次へと飛んでくる質問。お味噌、お酒、ヨーグルト……。
一つひとつ丁寧に答えていくと、
「いやぁ、〇〇さんは本当に専門家みたいですね!」と、感心の声が上がる。

「いやいや、実は大学の専攻がそのものズバリでして……」 喉まで出かかったその言葉を、私はビールと一緒に飲み込んだ。
かつて学問に情熱を燃やした若き日の自分。
しかし、今の生活でその知識が役に立つのは、
こうした酒の席の暇つぶしぐらいなものだ。

専門家として生きてきたプライドと、
それをひた隠しにして「物知りなおじさん」を演じている自分。
そのギャップが、少しだけ胸をチクリと刺した。

かすれた声と、コンビニの明かり

気づけば、一コマのセミナーを終えた後のように声は枯れ、足取りは重かった。

「また来年!」と手を振り、駅へと向かう仲間たちの背中を見送る。
賑やかな宴が終われば、待っているのは冷え切った家と、
明日のゴミ出しの準備だけだ。

最寄駅からの帰り道、独り夜風に吹かれながら、かすれた声で独りごちる。

私の人生も、発酵の末に芳醇な香りを放つ熟成期に入っているのだろうか。
それとも、ただ時間が過ぎて、酸っぱく変質してしまっただけなのだろうか。

コンビニの自動ドアが開く音に、現実へと引き戻される。
明日の朝食用に買った納豆のパックには、
味気ない常用漢字で「発酵」と書かれていた。


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